昨日買った漫画

4063106055おおきく振りかぶって Vol.13 (アフタヌーンKC)
ひぐちアサ
講談社 2009-12-22
またかなりおもしろくなってきた。早く14巻出ろ出ろ。アニメ二期はこの美丞大狭山戦やってくれないかな…。ひさびさにあべみは分を補充できて(;´Д`)ハァハァ


4253191932黒薔薇アリス 3 (プリンセスコミックス)
水城せとな
秋田書店 2009-12-16
予想外に展開が速い。これまたおもしろくなってきた。


4757527470ちょこっとヒメ 7 (ガンガンコミックスONLINE)
カザマアヤミ
スクウェア・エニックス 2009-12-22
最終巻。たれ太×くっきーかわいすぎる。よい猫萌え漫画だった。


4047261459乱と灰色の世界 1巻 (BEAM COMIX)
入江亜季
エンターブレイン 2009-11-16
なんか衝動的にジャケ買いしちゃったけど大当たりだった。設定の解説がなんもないけど世界観とキャラ造形がすごくて惹き込まれる。次巻も購入決定。

よなよなペンギン

少女ココは大好きだった亡き父親の言葉を信じ、いつか空を飛べることを夢見て、ペンギンの着ぐるみ姿で夜の街を歩いている。ある晩、彼女が道を歩いていると、ペンギンのカプセルが落ちていて、組み立てると動き出し、そのペンギンはペンギングッズが満載のペンギンストアへ招待してくれる。そこにはチャリーというゴブリンの少年がいて、ココに自分の住む世界に来てほしいと懇願する。


予告が公開されたときから、主人公がかわいくない、かわいくないともっぱらの評判でしたが…(寺田克也は明らかに違うだろ)、動いててもかわいくないもんはかわいくありませんでした。一番、もとい唯一かわいいのがチャリーのお父さんっていうね…。
キャラデザもそうなんだけど、全体的に色合いが暗い。舞台が闇の帝王に支配されている地下世界ってせいもあるけど、夢いっぱいのファンタジーを称するなら、もうちょっと明るくキラキラさせてもよかったと思う。CGの質感にしても、同時期にカールじいさんをやってるもんだから、そっちと比べてしまうとどうしても見劣りしてしまって…。天下のピクサーと比べるのも酷な話なんだけど。
でも日本とフランスの合作なのに、フランスの良さやフランスらしさがまったく感じられなかったのはいかがなものか。
話はありきたりで新鮮味はなかった。というか何を描きたかったんだろう? 友情? 信じる力の強さ? どちらにしても中途半端で主題が見えてこなかった。
そもそもペンギンである必要性はあったのだろうか。「飛べない鳥」という設定が、ザミーやチャリーなどほかのキャラクターとリンクしていないから、まったく生かせていないように感じた。最終的に空を飛んだことによって地下世界を救ったわけでもないし…。
というかあのボスのやっつけかたにはぽかーんだ。最初からそいつらが出てくりゃ一瞬で終わってた話じゃん! ボスを倒す過程に主人公がかかわっていないも同然なのがひどすぎる。
そのボスにしたって、ただ悪いやつとしか描かれていないから、いったい何が目的なのかわからずじまいでなんだかもう…。


声に関しては、まあ聞けるレベル。基本的にその人すぎて、しゃべっていてもキャラクターじゃなくて実物の顔が浮かんできてしまった。太田とか太田とか。
ただ田中はさすがにうまい。うまいっていうかうますぎて田中なのか誰なのか全然わからなくてすごかった。田中麗奈もよかったと思う。松本梨香、ヒロシ、ダンディ坂野、小島よしおの並びが意味わからなすぎる。
個人的に主人公のお父さんは声も顔も受け付けなかった。なにあの典型的いい人顔。
…小さいお子さんは楽しめるのかなあ。
★★

のだめカンタービレ 最終楽章 前編

プラティニ国際音楽コンクールでの優勝後、千秋はルー・マルレ・オーケストラの常任指揮者に。早速オケの偵察に行く千秋だったが、まったくやる気の感じられない団員たちの態度を目の当たりにし、がく然としてしまう。一方、のだめはコンセルヴァトワールの進級試験を控え、練習に励む毎日を送っていた…。


原作読んでない、ドラマ・アニメところどころしか見てない人の感想です。
ううん…正直、映画にする必要あったのか? という感じ。フランスの風景はきれいだし、演奏もすばらしいのだけど、それだけだった。内容はテレビドラマでやっているようなのとなんら変わりはないし、これならお正月特番として放送すればよかったのに。
ですよねー。
後編への続き方も中途半端というか、普通に毎週やってるドラマの終わり方と同じような感じで思いっきり続いてるから、これで四月まで待たされるというのは…。しかものだめがショックを受けてズーンと沈んだところで終わり。なんだかもやもやしてしまって、それまでのストーリーがよかったとしても、観終わった直後、素直におもしろかったねー! という感想が出てこないだろうこれ。
アニメーションやら人形やらパンモロやら、なんでもありなところはおもしろかった。ボロボロボレロで泣きそうになる千秋先輩の顔も見もの。
ただこれは完全に個人的な好みの問題だけど、シリアスなシーンまでぎゃぼぎゃぼ言われるのはちょっと…。のだめがそういうキャラなんだってことはわかってるし、そこが魅力のひとつなんだろうけど、でも実写でやられるとさすがに勘弁。
とかなんとか書きましたが、人気あるし人入ってるし、ファンのかたなら楽しめるんじゃないかと思います。ハイ。
★★

レイトン教授と永遠の歌姫

グレッセンヘラーカレッジで考古学を教えているレイトン教授の研究室に、ある日、一通の手紙が届く。手紙の差出人は、レイトンの元教え子でオペラ歌手のジェニスだった。行方不明になった友人が永遠の命を手に入れた少女になって現れたという。そこでレイトンは、助手のルーク少年を連れて調査を始める。


一週間前に試写しました。ゲームのほうは、やりたいんだけど一作目を逃してしまったがために手を出せずにいるパターンです。ので、登場人物の詳しい関係とか設定とか、イマイチ理解できていない人の感想ですのであしからず。
と前置きしましたが…よかった! おもしろかったー!
まずなによりキャラデザがよいね。シンプルだけど温かみがあって、みんなかわいいし見ていてなごむ。レイトン教授(「先生」って呼んだほうがいいのかな)とか、あんな簡素な顔なのになんであんなにかっこよく見えるんだろう。
芸能人起用系だけど、基本的にみんな上手だからそんなに違和感はなかった。大泉さんなんかはそりゃうまいし声だけならイケメンだもの。堀北真希ちゃんの少年声もいい感じ。渡部さんは味があって役にも合ってるんだけど、叫んだりするとボロが出るが惜しい。相武紗季ちゃんはもっとがんばりましょう。ナナチャーンはさすがに歌うまい。
ストーリーは謎を解きつつさくさく進む。テンポいいし、アクションシーンも多くてメリハリがあってよかった。ただ先生と一緒にナゾトキしてる余裕はほとんどないです。先生(とルーク)の華麗かつ素早い推理に見とれよう。


それにしても、随所でジェニスに手を差し伸べる先生、マジで本物の英国紳士。ルークもさりげなくレディファーストしていたりして、こういう細かなしぐさにそれぞれの性格が現れていていいなあ。背景のモブまで、キャラクターひとりひとりの動作が細かくてすごい。
動作といえば、とっさにルークをかばう先生にもえたぜ…真っ白にな…。
いや腐な意味でなく、きゅんときちゃう乙女心的な意味で。一番弟子を主張するルークの先生への尊敬ぶりと懐きっぷりはかわいいし、口には出さずともそんなルークをちゃんと認めて頼りにしてる先生も、見ててほっこりするというか、嬉しくなってくるというか。
だから先生が「未来の英国紳士」ルークを信頼して行かせるシーンにはぐっときた。


そんなわけですごくよかった。お子さんと一緒に来たパパママもじゅうぶん楽しめると思う。そしてなんと「ぱんつはいてない」キャラも登場するから、男子諸君も注目だ!(嘘はついてないよ)
あとね、音楽がすごくよい! 観てる途中でこれはもうサントラ買うしかないと心に決めました。そして余裕があったらゲームも買いたい。地道に一作目から始めてみようと思う。
…ところで実写版での映画化の話はどうなった? 正直やめといたほうが…。
★★★★

THE 4TH KIND フォース・カインド

アラスカ州ノーム。何者かに夫を殺害された心理学者のタイラー博士は、夫の遺志を継ぐべくこの町特有の原因不明の不眠に苦しむ住民たちのカウンセリングに当たる。患者たちが一様に同じ症例を訴えることを不審に感じた彼女だったが、ある患者が謎の言語を発するとともに妻子を殺して自殺してしまい…。


公式サイトやWikiでだいぶネタバレしていますが、事前情報なしで楽しみたいの! ってなかたの目に触れるといけませんのでたたみます。

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空気人形

レトロなアパートで秀雄と暮らす空気人形に、ある日思いがけずに心が宿ってしまう。人形は持ち主が仕事に出かけるといそいそと身支度を整え、一人で街歩きを楽しむようになる。やがて彼女はレンタルビデオ店で働く純一にひそかな恋心を抱き、自分も彼と同じ店でアルバイトをすることに決めるが…。


大人のための童話かあ…なるほど。やっと観れた。
すごく透明感のある音と光と映像で、現代日本の殺伐としたリアルさと、ファンタジックで童話的な物語が見事に融合していた。なにより――もうあらゆるところで言われているけれど、私も言う。ペ・ドゥナが素晴らしい!
人形的なかわいらしさや儚さや無機質さ、すべてがどんぴしゃだった。*1
物語は、人形に心が宿って、動き出して、恋をして…とファンタジーそのもの。ただし人形は人形でもラブドール。持ち主との(時にはそれ以外の人物との)行為が描かれるんだけど、いやらしさはなく、ただ生々しかった。局部を取り外して洗うシーンなんかは、むしろ痛々しくも感じた。
この物語に出てくるのは、「からっぽ」な男女ばかり。元代用教員の老人しかり、過食症のOLしかり、年齢を気にする受付嬢しかり。みんなからっぽな心を抱えて、それをなにかで満たそうとしている。でもひとりではどうしたってからっぽな心を満たすことはできない。


「生命は 自分自身だけでは完結できないように つくられているらしい」
「生命は その中に欠如を抱き それを他者から満たしてもらうのだ」


作中に出てくる吉野弘の詩。空気人形に自分の息を吹き込んだ純一の行為がそれなんだろうか。そうすることで純一自身も満たされていたのだろうか。
空気人形も、誰かに満たしてもらうだけでなく、自分から純一を満たそうとする。でもそれは哀しい結果に終わる。けれど彼女の息はからっぽな人々のあいだを通り抜け、そっと揺らしていった。なにかの/誰かの代用品ではなく、彼女自身として初めてこの世界に生まれた瞬間だったのだろう。
心を持ってしまったがゆえに、つらく苦しい思いをする空気人形。それでも生みの親である人形師に、「この世界に少しでも美しいと思えるものがあったか」と尋ねられると、静かにうなずいた。
彼女がそう思ってくれる世界なら、まだ大丈夫なんだろう、きっと。
切なくて、哀しくて、汚い部分もあって、でもほんのりと温かいお話。ラブドールっていう題材に抵抗を感じる人が多そうだけど、少しでも気になったのならぜひ観てほしい。
★★★★

*1:脚の線を勘違いしたり、エアもぐもぐしたりするシーンがかわいすぐる。

幸せはシャンソニア劇場から

下町の人々から愛されるミュージックホール・シャンソニア劇場が不況のあおりを受け、不動産屋に取り上げられる事態に。支配人のピグワルは仲間たちとともに劇場を取り戻そうと、オーディションにやって来た美しい娘ドゥースの類まれな歌声を頼りに、再び公演を始めるが…。


舞台は1936年のパリ。当時の町並みや生活がリアルに再現されていて、レトロな雰囲気がとてもいい感じ。世界恐慌の真っただ中で、そのときどきの情勢がバーのメニューからわかるのがおもしろい。華やかなショーやアコーディオンに乗せて流れてくるシャンソンがすごくおしゃれで、思わずリズムを取りたくなってしまった。
そんな中、仲間たちが協力し合って劇場を再建しようとする姿がコミカルに描かれていて微笑ましい。途中、仲間の裏切りや二度目の差し押さえなどさまざまな障害があったけれど、それらを乗り越え固い友情で結束し、成功を収めた彼らには観ているこちらも心が躍った。ミュージカルシーンが本当に楽しそう。
でも物語の冒頭は、意外な結末から始まる。この幸せな日々がどうしたらあそこに行き着いてしまうんだろう、という疑問と不安が常にあって目が離せなかった。
不況による失業者、という点は現代にも通じるんじゃないだろうか。そんな人々が奮闘する姿に元気づけられ、負けてられないな、と思う。哀しい出来事もあったけれど、最後は温かい気持ちになれる話。親子愛と友情にほろりとさせられた。
ヒロイン・ドゥース役のノラ・アルネゼデール(19歳!!)の歌声が素晴らしい! あとジョジョ坊や役の男の子がかわいかった…!!
ちなみに原題は『Faubourg 36』*1なんだけど、この邦題はセンスあると思う。
★★★

*1:フォーブル=下町って意味。