よなよなペンギン

少女ココは大好きだった亡き父親の言葉を信じ、いつか空を飛べることを夢見て、ペンギンの着ぐるみ姿で夜の街を歩いている。ある晩、彼女が道を歩いていると、ペンギンのカプセルが落ちていて、組み立てると動き出し、そのペンギンはペンギングッズが満載のペンギンストアへ招待してくれる。そこにはチャリーというゴブリンの少年がいて、ココに自分の住む世界に来てほしいと懇願する。


予告が公開されたときから、主人公がかわいくない、かわいくないともっぱらの評判でしたが…(寺田克也は明らかに違うだろ)、動いててもかわいくないもんはかわいくありませんでした。一番、もとい唯一かわいいのがチャリーのお父さんっていうね…。
キャラデザもそうなんだけど、全体的に色合いが暗い。舞台が闇の帝王に支配されている地下世界ってせいもあるけど、夢いっぱいのファンタジーを称するなら、もうちょっと明るくキラキラさせてもよかったと思う。CGの質感にしても、同時期にカールじいさんをやってるもんだから、そっちと比べてしまうとどうしても見劣りしてしまって…。天下のピクサーと比べるのも酷な話なんだけど。
でも日本とフランスの合作なのに、フランスの良さやフランスらしさがまったく感じられなかったのはいかがなものか。
話はありきたりで新鮮味はなかった。というか何を描きたかったんだろう? 友情? 信じる力の強さ? どちらにしても中途半端で主題が見えてこなかった。
そもそもペンギンである必要性はあったのだろうか。「飛べない鳥」という設定が、ザミーやチャリーなどほかのキャラクターとリンクしていないから、まったく生かせていないように感じた。最終的に空を飛んだことによって地下世界を救ったわけでもないし…。
というかあのボスのやっつけかたにはぽかーんだ。最初からそいつらが出てくりゃ一瞬で終わってた話じゃん! ボスを倒す過程に主人公がかかわっていないも同然なのがひどすぎる。
そのボスにしたって、ただ悪いやつとしか描かれていないから、いったい何が目的なのかわからずじまいでなんだかもう…。


声に関しては、まあ聞けるレベル。基本的にその人すぎて、しゃべっていてもキャラクターじゃなくて実物の顔が浮かんできてしまった。太田とか太田とか。
ただ田中はさすがにうまい。うまいっていうかうますぎて田中なのか誰なのか全然わからなくてすごかった。田中麗奈もよかったと思う。松本梨香、ヒロシ、ダンディ坂野、小島よしおの並びが意味わからなすぎる。
個人的に主人公のお父さんは声も顔も受け付けなかった。なにあの典型的いい人顔。
…小さいお子さんは楽しめるのかなあ。
★★