なくもんか

無茶苦茶な父に捨てられ、幼少期に生き別れた兄・祐太と弟・祐介は、互いの顔も名前も知らずに成長する。祐太は、東京下町の商店街でハムカツが名物の店を切り盛りし、祐介はお笑い芸人として超売れっ子になっていた。そんなある日、祐太のもとに、初代店主の一人娘・徹子が突然帰って来る。


いつもどおりのクドカン。かなり好みが分かれるんじゃないかと思う。
私は別に好きでも嫌いでもないんだけど、でもこれは映画館で観るほどのものではないと思うし、134分という上映時間はいささか冗長で終盤は飽きてきてしまった。けっこう期待していた笑いの部分も、小さいのがぽつぽつといった感じ。
生き別れの兄弟・偽りの兄弟・母の死・自分たちを捨てた父親との再会・妻の連れ子・その実父との対面…ドラマチックな設定がてんこ盛り。なのに登場人物の言動や背景が薄っぺらくてまったく感情移入できなかった。
あんなお人よしいるわけないし、あんな和気藹々とした商店街がいまどきあるわけないし、幼少時代の貧乏エピソードにしてもベッタベタ。わざと極端にしているんだろうけど、それにしたって現実味がなさすぎる。
まあそういう世界観なんだってわかっちゃいるけど、「家族」っていう身近なものを描いているのにあまりにも自分から遠すぎて、冷めた目で見ることしかできなかったよ。
阿部サダヲはこの世界観にばっちりはまっていておもしろかったし、竹内結子もうまかった。でもクドカンホームドラマは私の肌には合わなかったようです…。
ところでエコエコ言ってるのは皮肉なんだろうけど、物語的には必要あったのだろうか。
★★