曲がれ!スプーン

超常現象バラエティー番組のAD・桜井米は、番組の企画で本物のエスパーを探し出すハメに。視聴者からの投稿を頼りに日本全国を旅して回るが、現われるのは有名人になりたいインチキ超能力者ばかり。それでも取材をあきらめない米は、次の取材対象者が待っている喫茶店「カフェ・ド・念力」に行くのだが…。


会話のノリがすごくツボだった。どうでもいいことにいちいち感心したり真剣になったり話を膨らめていったりする感じがすごく好きだ。超能力を隠したいのに、人助けはせずにいられないお人よしなエスパーたちが微笑ましい。
長澤まさみはかわいかったけど…でもまさみ主演を目玉みたいにしちゃったのが失敗だったなあ。どちらかといえばメインはエスパーたちのほうだし、むしろテレビ局関連のシーンはばっさりカットしたほうがよかった。舞台をカフェ内に限定すれば、もっとおもしろくできたと思う。
特に残念なのがラスト。今までひた隠しにしてた超能力をようやく使ったのに、そこでやってみせた「奇跡」があれとは…。
せめてエスパー全員の能力を有効に活かしたものにしてほしかった。そういう意味では、まさみをある危機から救おうと、エスパーたちがそれぞれの能力を使って、かつバレないように実行しようと画策するシーンはすごくおもしろかったのに。
舞台版から映画化にあたってスケールを広げちゃったことが逆にあだとなった作品、な気がする。


透視能力の人とエレキネシスの人が好きだ。『サマータイムマシン・ブルース』とのクロスオーバーはよかったんだけど、魚武はないわ。胡散臭さが逆にリアルだけど。
★★★